もうずいぶんと前の話なんですが、私がある園児にものすごい好かれたときの話をします。
その子は0歳時のときから保育園に預けられていた男の子です。
ものごころつくようになった3歳くらいからは園に通うのを嫌がって、毎朝大泣きして、お昼頃までずっと泣いていました。
午睡も全くせず結局1日中不機嫌なままでした。
私は正直泣く子が得意ではありませんでした。
お歌を唄ったり、読み聞かせをしたり、外で体を動かすことは得意な方だったのですが、きっと私の体が大きいので、小さな園児たちには怖いイメージを持たれていたんだと思います。
私がやあしても一向に泣き止まないのでできるだけ近づかないように、関わらないようにして過ごしていました。
しかし、その日は先生の出勤人数が少なくて、私がその子のお母さんから預かるタイミングにあたってしまいました。
どうしようと思ってドギマギしていたのですが、
なぜかその日は泣かず、私に抱っこされたままお母さんをお見送りすることができました。
私は拍子抜けした感じがしてその子の顔を始めてのぞき込んで見てみました。
すると、小さな手で私のほっぺたを優しくさわり「柔らかい~、つるつる~」とほほ笑んでいいました。
その子の笑った顔をはじめて見たのです。
えびす顔のような笑顔が印象的でした。
私は特に肌がきれいなわけでもないし、ケアも適当だし、色黒だし……なんだか恥ずかしい気持ちになりながらも、「機嫌がいいなら」とほっぺを触らせたままにしていました。
それからもその男の子は、私のほっぺがあれば泣き止むようになったのです。
午睡のときも添い寝は一も私が一緒なら、すーっと眠りに就いてもくれるようになりました。
それから、だんだんと園での生活になれてきて、他の先生とも話をしたり、友だちができるようにまでになりました。
だけどとうとう年長さんになって卒園するまで、相変わらず私のほっぺたにタッチする習慣は無くなりませんでした。
私はその男の子だけに「ましゅまろほっぺ」というあだ名で呼ばれるようになりました。
私は「あなたの方がずっとマシュマロよ!」と心の中で突っ込みをしていました(笑)
卒業シーズンになると、毎年その男の子のことが胸をかすめます。
もう中学2年生になるでしょうか?
- 元気でいるかな
- これから受験とか大変だろうな
- 好きな子とかもいるのかな
いろいろ思い浮かべてしまいます。
ホワイトデーに人気の贈り物で紹介されていたマシュマロのスイーツ。
彼には私のほっぺはこんな風に見えていたのかしら?